今橋映子『異都憧憬 日本人のパリ』(平凡社.2001)レビュー!

あ行の著者

概要

始めに

今橋映子『異都憧憬 日本人のパリ』についてレビューを書いていきます。

目次

第1部 ボヘミアン文学のパリ(ボヘミアン生活の神話と現実;アカデミー・ジュリアンと文学;日本におけるボヘミアン文学)
第2部 憧憬のゆくえ―近代日本人作家のパリ体験(乖離の様相―高村光太郎;生きられる都市―島崎藤村;徒花の都―金子光晴;貧困と街路の詩学・一九三〇年代パリ―ミラー・ブラッサイ・オーウェル・光晴)

ボヘミアン、ボヘミアニズムという表象、社会史

 この著作はその語源や文化史的展開、表象史の展開を概説していきます。プッチーニ作曲のオペラ『ラ=ボエーム』はともかくミルジェール『ボヘミアン生活の憧憬』になると、ほとんど馴染みはないものの、ブルジョワ社会での自己実現を目指すモラトリアム芸術物語の表象は後続の文化に顕著な影響があるため、なかなか学びの多い著作です。

 また混血の表象もロマン主義文学以降広く見られるもので、興味深い情報に富んでいます。

後半の作家論はよくない

 後半は作家論が中心になるのですが、これがなかなかよくないです。ある時期に見られた典型的なニューアカ風作文というか、エッセイとしてサクッと読む分には良いものの、ダメな方向に抽象的、観念的な都市論、メディア論で、読んでいてあまり得られるものはありません。

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