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新自由主義とはなにか解説。マネタリズム、ハイエク、オルド自由主義

政治,国際関係論
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新自由主義の起源

 新自由主義は、もともとハイエクの制度論的市場主義やオルド自由主義の修正自由主義的社会的市場経済を指示する言葉で、そこから影響を受けたりした以降の自由主義の潮流がなんとなく「新自由主義」と指示されるけど、個々の論者にあまりモデルや政策レベルの共通性がない、みたいな感じです。

 オルド自由主義やハイエク、マネタリズムについて見ていきます。

オルド自由主義

 オルド自由主義は、1930〜40年代、ドイツフライブルク学派(ヴァルター=オイケン、フランツ=ベームら)です。名称の由来:はOrdnung(秩序)+Liberalismus(自由主義)で、「秩序自由主義」となります。

 放任の古典的自由主義とは異なり、市場は「国家が秩序を整備すること」で初めて機能すると考えます。秩序を作るのは国家ですが、国家が直接経済活動をコントロールするのではなく、「ルールメーカー」に徹します。

 独占やカルテルは自由市場を歪めるので、独占禁止政策や公正取引制度が不可欠とし、公正な競争を担保しようとします。

 「自由な市場」だけでは社会的公正が実現できないため、最低限の社会保障や福祉政策を組み合わせる必要があるとします。

 また経済は「法的枠組み」と切り離せず、経済憲法を通じて、市場経済を法制度に埋め込むべきだと主張します。

 このように、古典的な自由主義に介入して調整しようとする、社会福祉主義に近い自由主義のスタンスです。

ハイエクの自由主義

 ハイエクを見ていきます。

 ハイエクの有名な主張は、市場や慣習・法・言語のような社会秩序は「計画されたもの」ではなく、人々の相互行為から自生的に形成される制度だ、という点です。秩序は人為的設計ではなく、進化的プロセスを通じて「発見」されるとします。ここでいう「制度」には、市場価格システム・契約法・私有財産権・道徳規範などが含まれます。

 ハイエクは「国家の役割」を全面否定したわけではなく、むしろ市場を機能させるルール作りに限定して認めました。国家は「一般的ルール(法の支配)」を整備し、それを守ることが重要とします。ただし、個別に介入して成果を操作する(再分配政策や計画経済)は、制度秩序を歪めるとみています。オルド自由主義は「競争政策」や「独占規制」など、国家による市場秩序維持を積極的に構想していましたが、ハイエクはより自生的秩序に重きを置き、国家の制度設計には慎重だったのでした。

 ハイエクは”制度を通じて人間の認識・行動が制約され、また可能性が開かれる”という意味で制度論的です。それは「制度設計論」ではなく「制度進化論」に近いです。

ハイエクの課題

 ハイエクは政府通貨まで否定したり、並列的なもののボトムアップからトップダウン的な秩序が自生してそれが最適な帰結をもたらすと素朴にみたり、新自由主義ではフリードマンより遥かに過激なこと言ってるけど、悪の権化みたいに扱われるフリードマンより「右派の良心」として扱われがちな気がします。

 ハイエクは弱者救済について一応気にはするけどそのような素朴な制度論にコミットするために「まあ、なんとかなるか。期待してるよ、みんな」って思ってなるけど、フリードマンの方はトップダウンの政府の設計で弱者救済を制度的にあるレベルで担保しようとします。

マネタリズム

 マネタリズムは、主にミルトン=フリードマンを中心に1950〜70年代に形成された経済学の学派です。ケインズ学派と対立的です。

 マネタリズムはインフレは常に貨幣的現象であるとし、長期的には貨幣供給量(マネーサプライ)の増加率が物価上昇率(インフレ率)を決めるとします。短期的には貨幣政策が実体経済に影響を与えることもあるが、長期では「貨幣は中立的」とみます。

 政府が景気を操作しようとして財政出動や裁量的金融政策を行うと、かえって不安定になるため、かわりにマネーサプライを一定のルールに基づいて安定的に増やすべき(k%ルール)と唱えます。これは裁量的政策を否定する立場です。

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