学究

倫理,哲学

ミリカンとデネットの意味論の橋渡しを考える

コンテンツミリカンの意味論 ミリカンが提示した生物学的意味論(テレオセマンティクス)の直感を出発点にすると、意味的・規範的な違いを生み出す構造のクラスターは単なる哲学的抽象ではなく、自然史のなかに安定的に埋め込まれた実在的な仕組みとして把握...
政治,国際関係論

ファシズムとは何か。日帝やスペインは含まれない?

コンテンツファシズムの定義 ファシズムの扱いについて比較政治学では近年かなり慎重になっており、概念の安易な拡大を避ける傾向が強いです。というのも、用語を広げすぎると権威主義的な現象の束に溶け込み、本来分析上意味のある区別を失ってしまうからで...
倫理,哲学

ローティのプラグマティズムの限界?デネットの解釈主義とその言語ゲーム論の比較

コンテンツデネットとローティ ローティが想定している記述の多元性は、一見するとデネットの解釈主義とよく似ているようでいて、実はかなり決定的なところで分岐しています。  デネットの場合、心的状態や意図、信念といった語彙は本質的に解釈的であり、...
経済学

ニューケインジアントポストケインジアンの相違。リフレ派は本当に積極財政?

コンテンツニューケインズ=積極財政?リフレ派やニューケインジアンを「積極財政派」と同一視する理解は、理論的にはかなりミスリーディングです。彼らの基本的な立場は、景気安定化とインフレ管理を原則として金融政策によって行うというものであって、財政...
経済学

トラスショックは日本で起こりうる?トラスショックの変数を分析。金利上昇?

コンテンツトラスショックの条件 トラスショックをめぐる一連の出来事は、しばしば「無謀な財政拡張に市場が即座に懲罰を与えた例」として語られるものの、その理解はかなり単純化されすぎています。実際に起きたのは、財政の量そのものというより、英国がも...
倫理,哲学

レヴィナスの<顔>とは何かを解説。道徳の超越論的拘束力の条件

コンテンツ顔レヴィナスの〈顔〉は、他者の性質や内面を表象するものでもなく、自己の投影や同一化の対象でもなく、ましてや存在論的な実体として措定されるものでもありません。それは「何であるか」を示す以前に、ある関係が出来事として立ち上がるその瞬間...
倫理,哲学

非機能主義の思考実験の問題点を解説。中国語の部屋、メアリの赤い部屋、クオリア反転

コンテンツ中国語の部屋 心の哲学では、方法論的にかなり偏った思考実験が繰り返し消費されてきました。そこでは、非機能主義的結論に有利な直観をあらかじめ仕込んだうえで、素朴心理学的な「感じがする」「理解していないように思える」といった一人称的印...
心理学

行動主義の現在と機能主義との接近。行動主義はこころの中を否定する?

コンテンツ方法論としての行動主義 セラーズ以降の心の哲学では、機能主義と行動主義は対立理論というより、むしろ結合可能で相補的な分析枠組みとして用いられてきたため、「行動主義は心的状態そのものを否定するが、機能主義は心的状態を機能的状態と同一...
政治,国際関係論

ベネズエラの苦境と介入の困難さを解説。トランプの介入はうまくいかない?

コンテンツマドゥロの動き マドゥロが内通者だったとはあまり思えないが、かといって今回の拘束が彼にとって決定的に不利だったとも言い切れません。ベネズエラ軍は以前から政治的忠誠というよりも自己保存と利権均衡で動いており、いざという局面で本気で体...
芸術,美学

意図の美学と文学批評。反意図主義的ムーブメント

コンテンツノエル=キャロルの制限付き意図主義ノエル=キャロル以降の制限付き意図主義とかは規範性のなかでの合理的意図によって解釈を制約するし、アートワールド論もそれが可能になる制度論を記述しています。 ノエル=キャロル以降の制限付き意図主義は...