PR

システム論とはなにか。パーソンズ、ルーマンの社会システム論

社会学
記事内に広告が含まれています。

コンテンツ

広義のシステム論とは

「システム論」とは、対象を単なる要素の集まりとしてではなく、全体として相互作用しあう関係性のネットワークとして捉える考え方や学問領域の総称です。20世紀半ばから本格的に展開した枠組みで、工学・生物学・社会学・経営学など幅広い分野で用いられます。

 特徴として全体性(部分を寄せ集めただけでは説明できない「全体の性質(システム特性)」に注目する)、相互作用・フィードバック(要素は相互に影響し合い、ループ構造【正・負のフィードバック】によってシステムが安定したり変化したりする)、階層性(システムはより大きなシステムの一部でもあり、多層的に入れ子状に存在する)、動的平衡(外部からエネルギーや情報を取り入れつつ、システム内部の秩序やパターンを維持する)が挙げられます。

 次に社会学におけるシステム論である、社会システム論について見ていきます。

パーソンズの社会システム論

 まずはパーソンズの社会システム論について。

 パーソンズは、社会の基本モデル:を「行為システム」とします。社会は「行為者」の相互作用のシステムとして捉えられます。行為者は価値、規範を内面化し、それに従って行動するのです。

 そしてAGIL図式という、社会システムが存続するための4つの機能を考えます。 A:は適応 (Adaptation) で、環境への適応です。経済が代表的で、基本的な生活リソースを提供します。G: 目標達成 (Goal attainment) は集団目標の設定と遂行です。政治、行政が該当します。 I:は統合 (Integration) で、社会の規範的秩序の維持(法・共同体)です。 Lは潜在的パターン維持 (Latency / Pattern maintenance) で、文化・教育・家庭による価値の再生産です。

パーソンズの欠点

 パーソンズは社会を「秩序あるシステム」として捉えるため、社会変動や対立、紛争の説明が弱いです。実際の社会は常に不安定で、利害対立や権力闘争が存在するものの、理論はこれを補助的な現象としてしか扱いません。

 また社会システムを「行為者の相互作用+規範」で説明するが、個々人の創造性・主体的行動や逸脱行動の扱いが弱いです。人間の能動的変革力を十分に反映できません。

 AGIL図式や機能の分類は便利ですが、経験的検証が難しいです。

 またパーソンズは社会の安定を中心にモデル化しているため、近代社会の複雑化や分化(経済・政治・文化・科学の独立性など)への対応力が弱いです。

ルーマンのシステム論

 ルーマンはパーソンズの後継でもあり批判者です。社会の基本モデルを「コミュニケーションのシステム」とします。社会の構成単位は「行為」や「人間」ではなく、コミュニケーションです。個人(心理システム)と社会(社会システム)は別個の自律システムとします。

 そしてオートポイエーシス(自己産出的システム)として、社会システムは外部からではなく、内部のコミュニケーションを通じて自らを再生産するとします。

 パーソンズはAGIL図式を考えましたが、ルーマンは機能分化現代社会は、法、経済、政治、科学、宗教など、それぞれ独自の「二項コード」(例:法=合法/不法、経済=支払可能/不可能)によって自己組織化する多様なサブシステムに分化しているとします。社会は「秩序ある全体」ではなく、多元的で複雑な自己言及システムのネットワークとして捉えられます。

 ルーマンは社会を複雑で多元的な自己再生産システムとして捉え、秩序や統合ではなく、複雑性の処理が主題です。パーソンズと異なり、社会は安定的全体ではなく多様なサブシステムが相互に接続されるネットワークです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました