学究

倫理,哲学

トロッコ問題の問題点。本当に功利主義と義務論の説明に有用か

コンテンツトロッコ問題とは トロッコ問題(trolley problem)とは、倫理学の思考実験で、人が「ある行為によって何人かを救うが、別の誰かを犠牲にする」というジレンマに直面する状況を扱います。基本形(フィリッパ・フットが1967年に...
倫理,哲学

自然主義的誤謬とヒュームの法則について

コンテンツムーアの自然主義的誤謬「自然主義的誤謬」は、本来はムーアの直観主義(認知主義、実在論、非自然主義)における基本的主題のことで、ムーアは自然主義的な事実にも、形而上学的な超越論的存在やその指令にも善は還元されえず直観によってのみ知る...
倫理,哲学

デネットのクオリア批判とミリカンの心の理論批判の要諦。クオリアはどういう意味で”ない”のか

コンテンツ心の理論 「心の理論」とは、他者が自分とは異なる心(意図・信念・欲求・感情など)を持っていることを理解する能力のことを指します。 簡単に言えば「相手の考えていることや感じていることを推測できる力」です。心理学や発達研究、認知科学で...
倫理,哲学

ジュディス=バトラーのジェンダー一元論の課題。精神医学におけるジェンダー一元論

コンテンツフーコーの真理論からバトラーへ バトラーはフーコーから影響されました。まずフーコーについて書いていきます。 フーコーにとって「真理」とは、客観的に普遍的なものではなく、権力関係の中で制度的に産出されるものです。真理は、科学的言説、...
倫理,哲学

意味論について。フレーゲ以降の記述説とウィトゲンシュタイン、クリプキの指示説の違いまとめ

コンテンツフレーゲと記述説 フレーゲは意味論について、語の意味を指示(指示対象)と意義(対象について知られていること。対象のあらわれかた)に分けます。 たとえば神話のルシファーについて、固有名の「ルシファー」はルシファーの指示であり、「明け...
倫理,哲学

反出生主義を批判的に検討する。シンの義務論、ベネターの功利主義

コンテンツ個人的スタンス  動物倫理と絶対的反出生主義は不可分でも親和的でもない 規範倫理として、ベネターなどの功利主義的なそれもシンなどの義務論的それも、理論的一貫性、説明性などその正当性の次元で強固とは言い難く、実際の制度における実現可...
倫理,哲学

共産主義への素朴な誤解批判。分析的マルクスと数理マルクスの相違。マルクスとマルクス主義の相違。

コンテンツマルクスとマルクス主義、現実社会主義国家マルクスとエンゲルス以降のマルクス主義者は、言っていることの内容や方法がマルクス本人とかなり異なっていて、レヴィ=ストロースとラカンくらいの違いがあります。そのため、マルクス本人の思想と、後...
倫理,哲学

相対主義的真理論、認識論的世界観についての批判

コンテンツ相対主義的認識論、真理論批判「データベース理論は、ネットにおけるsyamuの受容から支持されうる」といった主張を見かけたことがあるけど、一般にある理論モデルと整合的なパターンが一つ見つかったからといって、それだけでそのモデルが説明...
倫理,哲学

フーコーの医療倫理とそれへの応答可能性

コンテンツフーコーの真理論 フーコーにとって「真理」とは、客観的に普遍的なものではなく、権力関係の中で制度的に産出されるものです。真理は、科学的言説、専門家の資格制度、社会制度、国家装置などによって承認される枠組みの中で成立します。医学や精...
倫理,哲学

LGBTQとPZN、BDSMについて

コンテンツ性的嗜好と性的指向。精神医学における性的マイノリティ 性的指向と性的嗜好は伝統的な区分ではあるけど、その境界は自明のものでなくて連続的です。 同性愛やトランスセクシャルが病気でないとされるようになったのは、もっぱら慣習のほうが変わ...