学究

倫理,哲学

ブルデューとイーグルトンの美学の限界。アートワールド論との比較

コンテンツブルデューの美学ピエール=ブルデューの文化社会学は、現代の批判理論において依然として大きな影響力を持っているものの、美学理論として見ると根源的な欠陥を抱えています。これは単に"価値を権力に還元しすぎる""主体を軽視する"という一般...
倫理,哲学

非機能主義とその課題。非法則的一元論などの問題

コンテンツキム非機能主義は、心的現象を機能的役割や因果的構造だけでは捉えられないと主張する立場ですが、キム、チャーマーズ、デイヴィッドソンという代表的な三者はいずれもそれを一貫した理論として維持することに失敗しています。 キムの場合、彼は物...
倫理,哲学

コネクショニズムとはなにか。その課題と解釈主義

コンテンツコネクショニズムとはコネクショニズムとは、心や知能を 多数の単純な処理単位(ニューロンに類似したノード)が作るネットワークの動態として理解する心の哲学の立場です。 これは、心的過程を記号の操作とみなす古典的認知科学に対するオルタナ...
倫理,哲学

クオリア逆転とは。デネットの批判も含めて解説

コンテンツクオリア逆転とはクオリア逆転とは、人間が外界の刺激に対して示す行動や言語表現、あるいは脳内の情報処理が完全に同一であっても、その人が主観的に経験しているクオリアは実は異なっているかもしれない、という可能性を示す思考実験です。 もっ...
倫理,哲学

ブランダムの真理論。その実在論的スタンス

コンテンツブランダムの真理論ブランダムの哲学を理解するうえで最も特徴的なのは、真理についての扱いと、意味・規範的ネットワークについての扱いが、まったく別の重さを持っているという点です。ブランダムは真理論に関してはデフレ的で、ほとんどローティ...
倫理,哲学

共産主義と宗教。マルクスは本当に宗教を否定した?

コンテンツマルクスにとっての宗教『フォイエルバッハに関するテーゼ』は、人間本質は抽象ではなく、社会的実践の中で結ばれた諸関係である(第6)、宗教的態度は説明するだけでは消えず、実践的変革が必要である(第7)、 社会的現実は実践が作るものであ...
歴史

裸はいつから恥ずかしくなったか。日本人は裸を恥としなかった?

コンテンツ江戸時代の風呂 江戸時代の混浴をめぐる性的規範については、一般に流布している「性に寛容な日本」「混浴が日常的な放縦の象徴だった」といったイメージは、実際の史料的裏づけに乏しい誇張、誤解に基づく面が強いです。近年の風俗史・社会史研究...
歴史

『アマデウス』の背景。サリエリとモーツアルトの神話。サリエリの真実

コンテンツサリエリの真実 18世紀末のウィーンで活動したアントニオ=サリエリとヴォルフガング=アマデウス=モーツァルトの関係は、後世で語られるような「天才モーツァルトに嫉妬した凡庸なサリエリ」という単純な構図とはまったく異なります。 実際に...
歴史

DNAの構造の発見者。ワトソンとロザリンド。本当にワトソンは悪いのか

コンテンツワトソンらの時代 ワトソンとフランクリンをめぐる論争は、単なる人物評や倫理判断を超えて、科学史とジェンダー史が交差する領域で再語り直されてきました。感情的道徳的な物語化がしばしば生じるのも無理はないものの、歴史的事実とその制度的文...
倫理,哲学

反表象主義とはなにか。異端としてのローティ

コンテンツセラーズの反表象主義からローティリチャード=ローティの哲学は、20世紀後半の分析哲学が到達した「反基礎づけ主義」の系譜のなかでも、最も過激で、同時に最も文学的な形態です。その思想的出発点は明確にウィルフリッド=セラーズとW.V.O...