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エコロジーとダーウィン
ダーウィンって唯物論者というより不可知論者で、もともとケンブリッジで神学勉強してたし、信仰自体は篤く無かったけど超越論的なものへの確信は一貫してて、自然選択も単なる物理的な自然法則以上のもので、自然に不可知の内在的秩序を認めるエコロジー思想のルーツみたいな感じです。
彼の不可知論的傾向は、ハクスリーによって理論的に整理される以前からすでに見られます。ダーウィン自身は神学を学びながらも、奇蹟や啓示宗教の教義には距離を取り、自然そのものに内在する秩序や生成の力に深い畏敬を抱いていました。これはスコットランド啓蒙の自然神学からの影響と同時に、ロマン派自然観の余韻とも通じる部分です。
ダーウィンにとって「自然選択」は、機械論的な因果法則ではなく、自然そのものが自己生成的に秩序を生み出すプロセスであり、それを人間理性がどこまで理解できるかについては常に懐疑的でした。この点では、彼の思想は後のエコロジー思想(とくにホワイトヘッドの有機体哲学やロヴロックのガイア仮説)につながる自然の内在的秩序への感受性を孕んでいるといえます。
ダーウィンの時代、遺伝子についてわかってなかったから、そこに神秘性を帯びうる空白がまずありました。遺伝の説明について自然選択説も徹底してなくて、パンゲン説が有名だけど、あれも遺伝についての用不要説で、生物全体の有機的統一を前提としている点で生気論や有機体論と地続きです。
パンゲン説(体から微粒子が恒常的に発してそれが環境刺激で変化して生殖細胞に伝わり獲得形質が遺伝する)はハクスリーとか熱心な支持者ですら懐疑的で、好意的だったのもラマルキアンくらいでオンタイムでも珍説の類いだけど、ダーウィンは既存の文献や実験科学に不明で科学リテラシーは高くありません。
ダーウィンの自然主義
そもそも文献学が肌にあわなくてそれをあまり重視せずに、徹底的に自然の観察(というある種の交感)に根ざしてモデルを構成したのも、まずスピってたからというのもちょっとあります。
自然の深遠さを信仰して、それに迫ろうとした科学者というか。
『ビーグル号航海記』とかも、コールリッジやワーズワースとかと地続きの文化で、自然の深遠な崇高さへの驚嘆と畏敬を綴る感じです。ダーウィンは、ラファエル前派の自然主義みたいな観察眼で、超越性をはらむ崇高な自然の徹底的な観察と記述から、科学者としてより自然と交感する不可知論者として自然選択説を発見したのでした。



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